Tag Archives: パナマ文書

●パナマ文書は立憲主義と福祉国家概念の脆弱性を暴露した

160429 MP

┃Economy あるいは資本主義のメタモルフォーゼ
成長と生産性、ビジネスモデル、経営、、国家、民主主義など

●パナマ文書問題を見る視点 http://hirokimochizuki.hatenablog.com/entry/panama.papers
タックスヘイブン問題とは国家権力の徴税能力の限界という問題。
1.国家と徴税の正当性を揺るがす:タックスヘイブンを利用した租税回避が可能なのは、一部の富裕層及び企業に限られるため、公正ではない。日本国憲法第30条「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」、がおびやかされている。
2.徴税の不公平性は福祉国家の根底を揺るがす:現代の福祉国家は財政赤字に苦しんでおり、充実した社会保障を提供し続けるための潤沢な金が手元にない。

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●続報・パナマ文書 余震は続くよどこまでも

160415 MP


国家と国民は税制を媒介にしてつながっている、財政と福祉政策との連携はその象徴。いずれも国境で区切られた空間とそこで生活する人々が大前提。
しかしここにグローバル展開する資本主義のダイナミックが介在する。この辺を再度整理する段階にきている。近代資本主義・民主主義からの明らかな逸脱が、合法だからという理由で見逃されていることに注目が集まったのがパナマ文書スキャンダル。

あらためて、ピケティの主張に注目したい。

・税は社会正義のために使え(成長のために使うな)
http://society-zero.com/chienotane/archives/24/#3

20世紀に喧伝された「福祉国家(どちらかというと、結果平等を実現することや、可哀想な人を救うというニュアンスが強い)」より、21世紀に目指すべきは「社会国家」だとする論調ともゆるやかにつらなっている発想が、『21世紀の資本』にはある。

これは法適合の問題ではなく、国家を超えたレベルの倫理観の問題だ。

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