Category Archives: 再編成されるLife(生活/生命/人生)

選挙イヤーのポピュリズム

■2024年は選挙イヤー

本年2024年は、人口45億人を抱える約80カ国で選挙と投票が行われます。台湾、インドネシア、ポルトガル、ロシア、韓国、インド、欧州議会、英国など。

なかで最も注目が集まっているのが「現存する世界最古の民主主義」米国の大統領選挙です。

・2024年の主要国・地域と欧州の主な政治日程

(2024年は欧州も選挙イヤー-右派ポピュリスト勢力伸長の行方-)

この選挙イヤーは、それぞれの国内外の経済社会の機構が変質しつつある中で行われるため大変な緊張感を世界に与えています。変化の背景にあり、人々の不満の種になっているのがグローバル化です。グローバル化により貧困はこれまでになく減少したのですが、皮肉なことに豊かな国々ではむしろ不満が高まっています。

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●新しい物価体系への移行期と閉塞感を生きる日本の若者

 

■「新しい物価体系」への移行期

物価と金融政策を専門とする、渡辺努(東京大学大学院経済学研究科教授)氏は、現在の世界が「新しい物価体系」への移行期にある、と言っています(『世界インフレの謎』)。

足下のインフレ傾向を驚きをもってみている方も多いと思いますが、このインフレは氏に言わせると、3つの行動変容が引き起こした移行期に生じる事象で、「新しい物価体系」が確立されるまで、社会の異変は続くだろう。従来の経済学で解けない謎はのこされたままだ。そう主張します。 Continue reading

 

『世界インフレの謎』が説く3つの行動変容

著者の渡辺努(東京大学大学院経済学研究科教授・前経済学部長)氏は、物価と金融政策を専門としている。しかし近時の行動経済学の手法を取り入れている点で、最近注目を浴びている。日本銀行、一橋大学教授を経て、現職。ゼミの学生にも起業を勧め、政府に対しては「起業支援より、失敗しても巻き返せる仕組みが必要」と迫る、いま旬な経済学者。 Continue reading

 

「ヒトと戦争」を、百年のスパン、万年のスパンで考える

前の記事に、解剖学者の養老孟司氏が解説した本に触れました。その本のタイトルは、『ひとはなぜ戦争をするのか(講談社学術文庫)』。

およそ百年前の1920年1月、史上初の国際平和機構である国際連盟が設立されました。第一次世界大戦が、それまでの100年間のすべての戦争における軍人の死者数を遥かに超える痛ましい戦争であったことを契機に、大規模な常設の国際平和維持機構の必要性が痛感されたのでした。 Continue reading

 

日本の若者に低い自己肯定感と「楽しむ」

◎知恵クリップ|結弦(ゆづる)も五月(さつき)も知っている、「自己肯定感と楽しむ」の秘密◎

 

■ロコ・ソラーレ スキップ藤澤五月の右手の文字

北京オリンピックでひときわ日本の人々の目を引いた競技がカーリング女子でした。その中で、各ゲームの終盤を任されるスキップ担当の藤澤五月の右手に書かれた文字が、世界のメディアでも取り上げられ、話題になりました。

2月12日、世界ランク4位のROC(ロシア)戦の第7エンド。大逆転勝利を導いた、そのストーンを投げる藤沢の右手には、

「I am a good curler.
I have confidence!」

の文字があったのです。 Continue reading

 

中国人口が半減する近未来 「なぜ?」とその顛末

◎知恵クリップ|老いてゆくユーラシア(中国・ロシア・日本・西欧)と人口増加大国のアメリカ◎

・中国の人口推移

中国の総人口14億1178万人、伸び率は過去最低…少子高齢化の加速が鮮明に : 読売新聞オンライン

 

■書評|『世界100年カレンダー 少子高齢化する地球でこれから起きること』

私たちは偶然にも人類史の折り返し地点に居合わせているんです」。そう語るのは『世界100年カレンダー(朝日新書 2021年9月刊行)』の著者、河合雅司氏。20世紀は人類史のエポック「人口爆発の世紀」でしたが、21世紀、今度は「人類人口大減少へ」、に私たちは遭遇するというのです。 Continue reading

 

鎌倉時代と現代に共通する、温暖化と人口減少

◎鎌倉時代は現代と同じ「温暖化と人口減少」の問題を抱えていた。歴史人口学の観点からは、パラダイムシフトが重要◎

 

■「鎌倉殿の13人」

小栗旬演じる北条義時を主人公にした「鎌倉殿の13人」が、2022年のNHK大河ドラマです。


鎌倉殿の13人:22年大河ドラマ、静岡ロケ公開

北条義時は、源頼朝が開設した鎌倉幕府の第2代執権(在職1205~1224)。姉である北条政子と協力して承久の乱(1221年)を鎮圧し、鎌倉幕府の覇権を全国的なものにしたのが北条義時です。 Continue reading

 

世界人口はなぜ減少するのか 爆発的膨張の終わりの意味

◎知恵クリップ|「世界人口大減少」に関連するWeb記事10選◎

1.2050年は世界人口の大分岐点

2021年8月23日の日本経済新聞朝刊第一面に「人類史 迫る初の減少」という記事が出ました。戦争や疾病を理由にした大規模な人口減少は、人類史上、各地で散発的に起きてきました。ところが世界全体の人口が、つまりホモ・サピエンスという生物種が、爆発的な膨張段階を終え、初めて下り坂に入ろうとしていることから特集が組まれたわけです。

・過去2000年の世界人口推移 18世紀から爆発的膨張へ

経済成長・高齢化・移民… チャートで見る人口減の世界: 日本経済新聞Continue reading

 

「クジラのiPhone」と生態系エンジニア

米スタンフォード大学の研究チームが、ザトウクジラ、セミクジラ、シロナガスクジラなどの、ヒゲクジラ類の摂餌量について新しい知見を提供しました。その成果を踏まえると、「商業捕鯨が始まる以前、ヒゲクジラ類は、全大陸の森林生態系と同等の炭素を環境から除去していた」というのです。2021年11月3日付けの科学誌「ネイチャー」に発表された研究成果です。

豊富な水を抱える海洋は「生物ポンプ」や「炭素の貯蔵庫」の異名を持っています。 Continue reading

 

「人新世」とは そのデータ群・事実認識


【目次】
そもそも「人新世」って 何?
ハッシュタグ(#)としての「人新世」
「人新世」とは そのデータ群・事実認識


 

■「人新世」対応を誤れば?

地質年代において、化石に残るような生きものがたくさん出てきたのが「顕生代」です。顕生代は古い方から、古生代・中生代・新生代と分かれますが、これらの「」は大量絶滅の発生が、その境界にある場合の区分です。 Continue reading