知のパラダイムシフト

●ついにキャズム超え–コミック市場の4分の1は電子書籍

A:<メディアとしての紙>から<デジタル化するメディア>へ

●ついにキャズム超え--コミック市場の4分の1は、すでに電子書籍になっていた http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35059325/



電子化における、コミック、そして文字ものの段階では、カニバリズム論は杞憂であった。むしろ新規需要を掻き立て、紙と電子合計でのコミック市場は2012年以降、底を打ち、上昇傾向に。

●買った雑誌をWEBでも読める新サービス「コデジ」 講談社がViViなど4誌から開始 http://www.fashionsnap.com/news/2015-01-23/kodansha-kodigi/

「大画面スマートフォン・タブレットが急速に普及する中、紙だけでなく、読者がライフスタイルに合った方法で、手軽に女性誌に接することができる環境を整える」「雑誌により身近に触れてもらい、紙の雑誌の増売を目指す」。「空飛ぶ本棚」や「デジ本プラス」のようなアプリ型ではなく、ブラウザでのストリーミング配信。

●スマートコミックサービス『comico』初のテレビアニメ展開「ナルどマ」の今春放送が決定 http://www.nhn-playart.com/press/index.nhn

無料漫画アプリから、テレビアニメ化の事例がでてきた。無料漫画アプリは「どうやって収益化するのか?」がよく疑問視されるが、NHN PlayArtはマルチ展開を想定している。つまり、単行本販売だけではなく、グッズ販売やゲームへ。

●cakesやnoteを始めた理由と今後について http://www.gunsu.jp/2015/01/cakes-and-note-jepa-seminar-report.html

編集者からWEB系へ移った人によるプラットフォーム・サービス。過去の人脈を使ったのか、大手版元とのコラボで上手にプラットフォームの活用を演出しているのが印象に残った。会員制有料読み放題の「cakes」と、無料で簡単自己出版ができる「note」。将来はモノの販売も視野にあるという。

●【号外】「SFマガジンcakes版」が配信スタート! https://cakes.mu/posts/8120?r=20150124m
隔月刊になった「SFマガジン」が、「cakes」で実質月刊を継続。しかも週次。月刊のSFマガジンがない1月に、週刊のSFマガジンうぃスタート。

●デジタルの根本命題:セス・ゴディン氏の提言(3) http://www.ebook2forum.com/members/2015/01/seth-godin-talks-at-digital-book-world-3/

あくまで、「取次/書店」という流通の仕組みと、再販制度、独禁法対象外商品という扱いがない米国での議論。だが、電子書籍、あるいは電子出版はもう一度、「情報を、それを必要とする人々に届けること」と認識し直してみることは、共通の課題、あるいは出版界の共通のアジェダ。この点、彼の答えである、電子出版とは従来型の紙の出版と異なり、「読者との間に関係を築くこと」だという指摘は示唆に富む。この視点からは「読み放題」や「ソ-シャル・メディア」は本質的なことではないことになる。

●ACCESSの「PUBLUS」がNHK出版の新語学サービス「語学リーダー」に採用 http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1501/22/news108.html

EPUB 3に準拠した電子出版ソリューション「PUBLUS」。NHK出版はNHKエンジニアリングシステムの協力の下、PUBLUSに話速変換機能を実装。音声付きEPUBコンテンツを語学学習者に最適な形で提供できるよう、ストア型アプリケーションとして開発した。

★Press Releases Details http://corporate.harpercollins.com/us/press-releases/419/
世界第2位の出版社HarperCollins、電子書籍部門がEPUB3フォーマットへの移行を完了。

●アマゾンが日本語版Kindle for PC アプリ提供開始。書籍のダウンロード可能、日本語小説対応 http://japanese.engadget.com/2015/01/21/kindle-for-pc/
EPUB3対応も最終段階に。Windows端末でも日本のコミックや雑誌を含む320万冊の閲覧が可能になった。しおりを挟んだり、メモを書き込んだり、検索するといった機能はAndroid版同様に搭載。言葉を選択して、デジタル大辞泉を始めとする各国語の辞書を引くこともできる。

●【レビュー】Kindle for PC日本語版を試してみた ~タッチ操作にはやや難あり http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/review/20150121_684675.html

「残念なのは、スワイプなど指でなぞる操作に対応していない点だ。ページをめくる際は、スワイプするのではなく、左端(戻る場合は右端)あたりをタップする」。

●Kindle for PC でDRMフリーEPUBを読む方法(要mobi変換) http://www.wildhawkfield.com/2015/01/how-to-read-epub-by-kindle-for-pc.html

親切な指摘:「Kindle for PC は起動時に[My Kindle Content]フォルダをチェックしているようなので、Kindle for PC を起動したまま mobi ファイル を[My Kindle Content]フォルダへ入れてしまった場合は、アプリを再起動しましょう。それで認識されます」。また、「ちなみに、WindowsでDRMフリーEPUBをそのまま読むには、「紀伊國屋書店Kinoppy for Windows」の方がラクだと思います。もしくは、Chromeブラウザ+「Readium」」。

●紙の本とコンピュータと手作り文化の未来 http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/151/151995/

「本は、それを所有することによって人が変わるといったこともありますね。持つ喜びによって伝えられる」。たとえば、「子供たちが成長したときに、自分の本棚があれば「これがパパの本だ」って見ることができる。紙の本は自分の人生に入りこんでくることが、きっとできると思うんですね」。

●情報工場、書籍ダイジェスト版配信 異業種と連携、個人向けも強化 http://www.sankeibiz.jp/business/news/150123/bsl1501230500002-n1.htm
書籍のダイジェスト版を配信しているのが情報工場。法人から個人へ。また電子書籍へ。

●hontoが中古買取サービス、実業務はブックオフオンラインに委託 http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1501/26/news110.html

ハイブリッド書店サービス「honto」で、中古買取サービスがスタート。買取りの支払いは現金とhontoポイントの2種類から選択でき、現金にした場合は現金とともに買取価格の1%分のhontoポイントが、hontoポイントにした場合は買取価格に10%上乗せしたhontoポイントが付与される。

●【本好き】英国紙が選んだ10店「世界で最も素晴らしい本屋」 http://media.tabipedia.net/1775/

日本の常識は世界の非常識、のひとつの事例。古本と新刊本を売る店が截然と別れているのは日本ぐらい? 古本と新刊、両方を扱うのは、本のディスカウント販売同様、むしろ海外では当たり前。世界のベスト書店のうち、かなりの数が新古書店である。

★Best Bookstores In The World 2014 - Business Insider http://www.businessinsider.com/best-bookstores-in-the-world-2014-2014-2

一度は訪れてみたい、世界の本屋、13か所。

●イーブックイニシアティブジャパン、中国での電子書籍提供事業のため合弁会社設立へ http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1501/22/news119.html
まずは、中国で日本のマンガを中心としたコンテンツ配信プラットフォームの構築を行う。

●ピケティ「21世紀の資本」邦訳快進撃 発売1カ月で異例13万部 http://www.sankeibiz.jp/business/news/150124/bsd1501240700012-n1.htm
専門書で珍事。「人気漫画の最新刊や作家、村上春樹さんの新作のような動き」(日版・マーケティング本部)。電子化は未済。英語版はKindleサイトで買える。

●米メディア10社、報道のドローン利用で提携 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO82010160W5A110C1000000/
災害現場や事故現場など危険を伴う撮影や監視にドローンを使用するニュース報道のテストを実施。

●「アルゴリズムか編集者か」「個人か組織か」~ジャーナリズムの未来は? http://staffblog.news.yahoo.co.jp/newshack/jcej_panel_discussion.html
マスメディアとネットの対立という時代はとっくに終わっていて、今後は組織と個人が、どううまくマッチングしてコネクトしていくかという課題がキーになる。ただし、組織がアジェンダを決める時代では、もはやない、のも事実。「ネットか紙か」についても、その問題設定自身をマスメディアがやっている間は、新しい環境に適応できていない証左。環境の変化にどんどん適合していくことが、重要。「ランキング」という発想の外にどう出るか。それは「人一人ひとりが作り出していく異なる価値観と、社会全体が見なければいけない問題と、どういうところで接点を作り出していくか」というポイントにつながっていく問題群。