経済主体に還元されない「私」、ひとつではない「私」

 

●「稼げない=無価値」と考える恐ろしい発想 http://toyokeizai.net/articles/-/194544
ダイバーシティの観点からも、「経済的に自立していなければ、人としての価値がない」という価値観は再考を迫られている。
それは、子供や年金生活者、障害者を排斥する論理となり、福祉やケアをコストとしてしかみない立ち位置に人々を追いやり、社会を分断させる。
同時にコストにみあった効率性、合理性へと問題解決の議論が矮小化される道につながり、貧困の連鎖を産む温床ともなる。

子どもが老いた親の面倒をみるのは当然のこと、と思う人も多いかもしれません。でも実は、非常に不公平な話です。裕福な家庭に生まれたら、親は自分の資産で老後を賄えます。子どもは親の面倒をみなくて済む。でも、親が貧乏な家に生まれた子どもは、成人したら、親が亡くなるまで養っていかなければならない。その結果、貧困が連鎖してしまう。」

●サイボウズ式:成果を「労働時間」で評価する会社には限界がきている http://www.huffingtonpost.jp/cybozu/hatarakikata-time_a_23232035/
「マネジメント」という概念のアップデートを我々は求められている。
働き手が雇い主にすべてを合わせていく、のではなく、雇い主が働き手の都合に配慮することで、チームの柱や、ジャンプアップのキーになる優秀な人材を保持し、新たに迎え入れることができなければならない。
これも「ダイバーシティ」の応用編。

●現代を生きる「分人」の味方、3Wayバッグ「TUMI TAHOE」:哲学者・ドゥルーズかく語りき https://wired.jp/2017/10/12/tumi-tahoe-3way/
「哲学者の仕事は、概念をつくりだすことだと、ドゥルーズは言いました。(略)ノマドだけではない。一人ひとりの個人がひとつの職業や会社と強く結びついていた時代が終わりを迎えつつある状況と符号するように、「複数化する自分」という意味での「分人」という言葉がいまにわかに注目を浴びている。」
ひとりのヒトの中でも、ダイバーシティが課題となっている、とも言えるか。

しかし「ITによって個人が情報化され断片化していくビッグデータ時代におけるアイデンティティ・クライシス(「分人」のネガティブな意味)」に結びいていくか、「「分人」としての「わたし」が、より多様でより豊かな生き方」を選び取れる時代が来るか、それは未知数。
・欲望の分散 http://society-zero.com/icard/545989

●IBMが遠隔勤務制度をやめた理由 https://forbesjapan.com/articles/detail/18195
「非言語的なつながりの力は非常に強く、相手と真に親密な場合、無意識に体勢や動き、時には呼吸のリズムすら相手に合わせていることもある。興味深いことに、脳の「ミラーニューロン(ものまね神経細胞)」は、他者の行動だけでなく、感情もまねる。「感情の伝染」と呼ばれる反応だ。」

「私たちにはこうした生来の能力が有る。脳は実際に、より原始的で意義あるこうした情報チャンネルを必要とし、期待している。こうした対人的なつながりを否定されてしまうと、脳は苦しみ、コミュニケーションに問題が生じる。」

○脳科学者中野信子が語る 論理と感情の関係 http://logmi.jp/215243
ロジックと共感はトレードオフ」。論理と感情、社会コミュニティとの関連性について。
「集団のためになにかすることをよしとする。よしとするというのは、そのときにドーパミンが出るという意味です。
集団の判断が正義であるとする、つまり全体主義は、歴史を振り返ってみたり、他国のことであったり、物語を読んだりしているときであれば、「恐ろしいものだ」と直ちにわかります。私たちは、そのとき外部にいるからです。
でも、自分が内部にいて、当事者になるとできないんです。客観的に見られなくなるようにできているんです、ヒトは。

●男は利己的で女性は社会的 男女差はドーパミンの機能や応答結果の違いだった https://www.j-cast.com/healthcare/2017/10/24311561.html
「人の脳の「報酬系」を担っているのは「ドーパミン神経系」と呼ばれるシステムだ。欲求が満たされた場合に神経伝達物質のひとつ「ドーパミン」を放出し、喜びや幸せ、快楽などの感覚を与える。」
「報酬系が存在する部位である「線条体」の活動を確認すると、女性では「お金を分け合う」ような社会的決定を下したとき、男性は「自分だけが受け取る」利己的決定を下したときに強く活性化している」。

●ヒトの不変と変化を古典に学ぶ http://diamond.jp/articles/-/148167
「「ちいさきもの」を「かわいい」と思い、「春はあけぼの」を「をかし」と謳う枕草子に共感できるということは、少なくともここ千年、人の情の本質は変わらなかったということです。」
しかしその一方で、大きく変わった行動様式、生活習慣ももちろんある。
「タイムマシンをつくることはできませんが、時間を大きく隔てた視点を活用することも、発想のジャンプに役立ちます。
・今のヒトが昔を見たらどう感じるのか
・昔のヒトが今を見たらどう感じるのか」。

●原始人は「野蛮」は間違い? 福祉ケアサポートの存在を発見か https://www.gizmodo.jp/2017/10/neanderthals-with-disabilities-survived.html
耳が聞こえなかった、あるネアンデルタール人がそれでも当時の高齢である40歳、50歳代を生き抜いていた。なんらかのソーシャルサポートなしにはあり得ないことだ。
このことはネアンデルタール人の社会で援助が提供されていたことを証明している。
・奉仕する心と家族 http://society-zero.com/icard/160223

 

┃Others あるいは雑事・雑学

●福利厚生制度が充実している企業まとめ・ダイバーシティ編(2017年10月5日更新) https://www.jobweb.jp/post/a-118874

●職場でのダイバーシティ推進「良い効果があった」4人に1人 「多様な評価制度」の導入が不可欠 http://www.excite.co.jp/News/society_g/20171006/Careerconnection_7227.html

●クジラの脳の大きさと社会構造の複雑さに相関関係=研究 http://blogos.com/article/253201/

●どの動物が人間を一番殺しているのか...? ビル&メリンダ・ゲイツ財団がまとめた驚きの結果 http://www.huffingtonpost.jp/2017/11/11/don_a_23273992/

●人類が言語を獲得した「瞬間」にはこんなことが起きていた http://courrier.jp/columns/101724/
「いまから7万5000年前、ハダカと言語の「重複する突然変異」が起きて、言語的人類は生まれた。」
「言語的人類は、顎の骨が薄く延びて広がり下あご(頤 おとがい、mandible)が突き出ている、という特徴をもつ。
下あごが突き出して、気道の出口(喉頭)が降下しても窒息しなくなり、母音の共鳴が生まれる声道を獲得したのだ。」
「肺からの呼気を利用した母音のおかげで、声は遠くまで届くようになった。また呼気のもつエネルギーが個々の音節を際立たせるおかげ(これをモーラ〈拍〉と呼ぶ)で、複数の言葉(概念語)を文法的につなげるようになった。」