●貧困と情報リテラシー

┃Post Modern あるいは再編成されるLife(生命/生活/人生)
働くって? 育児、教育、ケア、地域、時間、eco、社会保障など

最近私は「シミルボン」というサイトで、本に関するエッセーを書いています。カテゴリーは「ビジネス・経済」です。ただ、「シミルボン」全体がコミックや小説に関する記事の多いのが気になっています。コミックや小説に関する書き手は十分いるので、それ以外の本についてあれこれ書いてみたい方、是非ご参加ください。人気のある連載や記事は、2つの電子ストア(Reader Store/ブックパス)で電子書籍化されることもあるそうですよ。

シミルボン https://shimirubon.jp/

というのも、たとえば今回のクリップでのテーマ、貧困と情報リテラシーといったことを考えると、もっともっと多様な本が日本社会に流通してほしいと痛感するからなんです。

最近、「子供の口腔崩壊」という耳慣れない言葉が注目を集めているのをご存知ですか。

口腔崩壊とは、「未処置の虫歯が10本以上など多数、歯根しかない歯が多数あるもの」をいいますが、その子の体の生育や健康への悪影響だけではなく、声をあげて笑えないなどのメンタルな部分、社交性の発達などにまで尾を引く問題。

一般にはその子供の家庭の経済的な状況が原因とされています。しかし子どもの虫歯対策はその子どもの親の情報リテラシーによって左右される、そううい側面も見逃せません。読書や知識の取得にかかわるリテラシー、さらには行政の制度への無知なども含めた広い意味での情報リテラシー欠如が背景にあるようなのです。

●子どもの虫歯二極化、口腔崩壊も 経済格差背景か https://this.kiji.is/238075727625797638
最近は「平均」だけでは実態把握が難しくなっている、一つの事例。
平均値を追うと、日本の子どもたちの虫歯は、近年、大幅に減ってきている。「きっかけは、国が78年に小学校教員向けに指導書を作り、児童の生活改善に乗り出したこと」。学校の情報リテラシーが向上したポイントがある。
しかしその一方で、家庭サイドの情報リテラシーが経済要因から低下、「口腔崩壊」と呼ばれる状態の子どもが増加、二極化の様相。

兵庫県の例では、虫歯などが見つかり「要受診」とされた約3万5千人のうち、歯科の受診が確認できない児童・生徒が約2万3千人、65%に上っていたが、その家庭状況について尋ねた(複数回答)ところ「一人親家庭」が37%で最も多く、「保護者の健康への理解不足」(33%)、「経済的困難」(32%)という状況。

●子どもの「虫歯」に貧困問題~「口腔崩壊」の児童がいる学校が35%も! http://healthpress.jp/2017/05/post-3019.html
「口腔崩壊」のような健康格差は経済格差起点から、「保護者の健康への理解不足」、無料制度があるのを知らないといった情報リテラシー不足。また仮に知っていても知識を行動に移せるだけの時間的生活の余裕がない、など、複合的要因から発生している。

●読書と貧困 http://kikuo-tamura.hatenablog.com/entry/2017/01/23/234403
「お金がない→(本買えない、塾いけない、進学できない)→地頭が向上しない→コモディティ化された職にしか就けない、若しくは付加価値を生み出すことができないため賃金の向上が見込めず、貧困に陥る。という連鎖が起きている」。

●読まないとドンドン貧乏に!? 読書時間と貧困の意外な関係が判明 ) https://wooris.jp/archives/218499
『Rich Habits(お金持ちの習慣)』によると、
・読書好きな人の割合:お金持ちでは86%、貧乏な人では26%。
・自己啓発のための読書時間:毎日30分以上読書をするのは、お金持ちでは88%、貧乏な人ではわずか2%。
・子どもに読ませる本の冊数:毎月2冊以上子どもにノンフィクションの本を読ませるのは、お金持ちでは63%、貧乏な人ではわずか3%。

●年収と読書の質の関係性!年収1500万円が持つスキルとは? https://how-match.jp/reading-amount/
読書と収入の関係を『2014年家計調査』から覗いてみた。
年収500万円の人たちが読んだ書籍の内訳:話題になったビジネス書は読むものの、その他はライフスタイルの本やハウツー本、トレンド雑誌、マンガ・小説など。
年収1500万円の人たち読んだ書籍の内訳:ベストセラーの実用書以外に例えば、経営者の考え方や経営学、経済学など、経営者視点の書籍。さらに、自己啓発書や歴史に関する書籍を読み、勉強しているという意見も。
年収アップのために読書量を増やしたい方は、短期的な勝敗ばかりを考えるのではなく、歴史や経済学を学んで論理的思考を養い、大局観や未来を読み解く力」の涵養を。

●データえっせい: 年少児童の生活格差 http://tmaita77.blogspot.jp/2017/05/blog-post_27.html
ゲームやテレビばかり見せず、勉強や読書に向かわせる親の姿勢も重要。



●子供の貧困と食品の行方 食べるものなく万引き https://ovo.kyodo.co.jp/news/culture/a-1016857
「夏休みに児童が学校に来て、「先生、何か食べるものない」と言われたという先生。食べるものが無くて万引きをしてしまった子ども。6人に1人の子どもが貧困と言われる現代ニッポン」。

●先進国の子ども、5人に1人が相対的貧困…日本の格差は下から10番目 http://www.newsclip.be/article/2017/06/16/33326.html
先進国の中にあって日本社会は、格差、貧困の問題が知らないうちに拡大していることに留意。
「日本の結果を見てみると、健康は40か国中8位、教育は41か国中10位と比較的良い結果であった。しかし、子どもの貧困は37か国中23位、格差は41か国中32位と格差が大きいほうから10番目であった。また、教育における基礎的習熟度に達する子どもの割合は38か国中2位である一方で、社会経済階層による学力格差を示す指標では39か国中26位という結果だった。」
また「今回成績が良かった栄養などの分野についても、若干異なる指標によれば成績が低いのではと懸念される分野もあ」るとの指摘。口腔崩壊を想起すべし。

●『レポートカード14』発表:日本の子どもの格差 41カ国中10番目 http://www.unicef.or.jp/news/2017/0123.html
・社会移転による子どもの貧困率の削減幅は31 位(37カ国中)
・若者(15-19歳)の自殺率は26位(37カ国中)

●乳幼児死亡率:地域格差 背景に貧困問題か 成育医療センター https://mainichi.jp/articles/20170602/ddm/041/040/032000c
国全体の「平均」を見るだけでは実態がわからない、一つの事例。地域分布に偏差。「国内で医療自体の格差は小さくなっていると考えられ、死亡率の差は貧困など社会経済的な問題と、それに対する自治体の取り組みの濃淡が影響している可能性もある」。

 

┃Others あるいは雑事・雑学

●主張 子どものむし歯放置の実態は深刻国と県は調査と対策を! - トピックス | 兵庫県保険医協会 http://www.hhk.jp/topics/2017/0625-160731.php )