●「検索」が変容し「広告」を揺るがしているが、イッシューはそれだけではない。

B:暮らしと職場の風景を変えていく(個人の意思決定と情報社会)

脳の中でニューロン同士をシナプスが結ぶことで、またそのネットワークが複雑に生成されることにより、人間の記憶が作られる。が、その記憶は意識下でより、無意識下での生成のほうに奥行きがあることが知られている。しかも無意識下での記憶には情動の働きが強く作用している、ことも。

さて、ネット上で近年、情報取集が検索エンジンの活用によるものから、SNS等でのエンゲージメント経由のものに変わりつつある。その爆発力は企業の広告戦略に見直しを迫っている。だがここで、エンゲージメントが共感、感動といった(無意識下で働く)情動に駆動されていることにもっと留意することが重要だろう。

拡散力があるとしても、情報の正確性を担保する機能が、情動にはない。広告に依存してきたメディアの経営戦略やジャーナリズムの在り方に、そしてかじ取りには注意深い検討が求められる。

いやジャーナリズムの課題だけではない。昨年来のDeNA騒動、クックパッドで乳児へ蜂蜜を与えてしまった事象など、生活シーンでの情報収集、検索活動でもよくわきまえておかないといけないテーマだといえる。

 

●検索もSNSから デジタルネイティブの利用法 (徳力基彦)http://www.nikkei.com/article/DGXKZO14986860W7A400C1H56A00/
「検索」というと、40代にとってはグーグルやヤフーのような検索サービス。他方、「大学生の世代はツイッターやインスタグラムで自分達と同じようなソーシャルメディア利用者の声を調べることをイメージするようだ」。
アフター・ネットとビフォー・ネット以上に、アフター・アイフォンとビフォー・アイフォンの世代間落差は大きい。
「当日の大学生は、ブラウザーで使うウェブのことを「ネット」と表現する一方、LINEやツイッター、インスタグラムは個別のアプリの名前で呼んでいた。スマホネイティブの彼らにとっては、ひとつひとつのアプリが独立した存在で、ネットはブラウザーから使う一つの存在でしかないようにも聞こえてくるのだ」。

●「検索」について考える2冊の本 - 教育ICTリサーチ ブログ http://blog.ict-in-education.jp/entry/2017/04/08/085810
脳神経学の成果として、認識、記憶力、創造性のキーワードとして、連合性(関連した知識を集めて、入力を増やす)/偶発性・ノイズ(情報の多様性)/類似性(アナロジーから飛躍した発想が産まれる)があることがわかっている。
さて効果的な「検索」を行うには、たくさんのキーワードが頭の中に格納されていないといけないが、そのためには、「どこにも行かないで検索で情報を集めるのはとても便利だけど、(略)検索しているだけでは世界は広がらない。新しい検索ワードを得るために、外に旅をせよ」、ということになる。

また、疑問を持って、PCに向かい検索をし、ある回答が得られる、という一連の過程の中に「ノイズ」が入る余地は少ない。すぐにPCの検索窓に向かわない、ことも重要だ。

●日本の人と北米の人ではものの探し方が違う — 京都大学 http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/170325_1.html
例えば「探す」。あたりを見回して探すとき、日本人と北米人とで、違うものを見ているのかもしれない。
これまで基礎的な視覚認知の働きは文化によらずユニバーサルであり、私たちは皆、同じものを同じように見ているというように理解されてきた。しかしそうではない可能性が出てきたのだ。
視覚情報そのものを処理する過程に文化差があることを、京大の研究チームが発見した。脳神経学の成果にも微調整が必要か。

●変わるネットと個人の表現―クラウドで消耗しない世界 https://newspicks.com/news/2110532/body
自由に多様な個人発信ができる時代になった、と言われるが本当にそうだろうか、と。「本来は多様な表現が可能であるはずの個人が、特定のプラットフォームに自己を回収されてしまうことと引き換えに少しばかり得られる、刹那的な「名誉」に」自己満足してやしないか」。
「つまりTwitter、Facebook、YouTubeといった「箱庭」の中から抜け出して、自分の表現をもう一歩進めていこう、さらには、なにかしらのビジネスに発展させていこうと思ったら、やはり自分自身で運営できるWebサイト、自社サイトが基盤になります」。
新しい検索ワードを得るために、外に旅をせよ」、だ。

●メディアの王座をめぐるテレビとスマホの関係 http://zunny.jp/00003547?utm_source=facebook&utm_medium=site
「スマホの登場から10年。僕らを取り巻くメディア環境は大きく様変わりした。(略)メディアの過去と現在、世代間の違いを検証してみた」。
・2005年、52%のシェアを誇っていたTVは2015年、30%にシェアダウン。そして2005年に存在していなかった携帯・スマホがなんと33%のシェアに。
・テレビを見ながらスマホで調べ物をしたり、SNSをチェックしたりする行動は、若年世代になるほど多い、テレビ対インターネットの図式はむしろ共存、依存関係へシフト。

(電通が「2016年 日本の広告費」を発表、インターネット広告が全体の2割超える http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1702/24/news059.html

●SNS時代の情報流通構造。シェア拡散力のあるWebメディアとは? http://markezine.jp/article/detail/26284
Facebookのアルゴリズムが変化した=Facebook上でよりエンゲージメントし、閲覧されるコンテンツ”を優先する。「これは、自サイトへの流入を前提としてPV・UUを通貨に組み立ててきた、各メディアのビジネスモデルを根幹から揺るがす事態」を引き起こした。
結果、「PV(頁がどれだけ見られているか)」・「UU(頁がどれだけ訪問されているか)」よりも、エンゲージメント(いいねやシェア)がメディアの価値を決めるようになった。
それで「数年前から海外を中心に頭角を現してきた分散型メディアは、Facebookをプラットフォームにして一気に「いいね!」数を獲得し、SNS上では大手ポータルニュースサイトを凌ぐ影響力を持つまでに成長してい」る、といいった現象が起きてきた。
つまり、「メディアの規模に関わらず、SNSを地道に運用することで、コンテンツや広告パフォーマンスの下克上を生む局面も」。

●「エンゲージメント」はメディアの価値を支えられるか?2016年の大転換から見直す https://www.advertimes.com/20170220/article244327/3/
ただし、「エンゲージメント」にも諸刃の剣の要素が。それは「信頼性」「信ぴょう性」を必ずしも担保しないからだ。「エンゲージメント」を駆動する「情動」がフェイクニュースを支えた事実を忘れてはいけない。

●広告費、ネットが初の首位 17年世界市場予測  http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC06H0T_W7A400C1TI1000/
「英調査会社ゼニスオプティメディアによると、(世界の)ネット広告費は前年比13%増の2050億ドルに達し、(2017年には)1%増の1920億ドルにとどまるテレビを逆転する」。

「成長が著しいのは、パソコンに代わって情報端末の主役となったスマホやタブレット(多機能携帯端末)などに配信するモバイル広告で、15年は前年比95%増、16年は同49%増と大きく伸びた。伸び率は鈍化するものの、新興国でのスマホの普及などを背景に19年まで年平均26%の成長を続ける。
世界で19億人近くが利用するフェイスブックやLINEなどの人気を追い風に、ソーシャルメディア向け広告も拡大が続く。16年に320億ドルを上回った同広告費は19年には550億ドルに達し、新聞を上回る見込み」。

●日本の課題をみんなでシェア! 政府がシェアリングエコノミーに力を入れる理由 http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/5289/Default.aspx
一方で、「シェア」の力は、社会の構築経路にも変化を及ぼす。
「社会課題解決の担い手は、これまで主に行政だった。しかし、シェアリングエコノミーによって、民間の力、特に若者の知見を生かして、日本の社会課題を解決できる――。そんな新しい社会デザインを実現できるのではないか」。

● 若者が占拠していた「スナップチャット」にも、"おじさん"と"おばさん"が押し寄せてきた http://zen.seesaa.net/article/448661855.html
若者にはさらに浸透しつつある「スナップチャット」。

その一方で、高齢者層も使い始めている。

中高年層にも浸透し始めたきっかけは、若者(子供)と両親・祖父母との家族間の交流ツールとして使われたから」。

●YouTubeとFacebookの参入に、米TV業界が震撼 http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/010600095/032900025/
GoogleとFacebookが参入を発表。このことで「旧来のテレビは放送電波やケーブル配信、衛星配信を経由して見るものから、本格的にネットを介したWiFiのモバイル環境で見るコンテンツへとシフトする」。

 

┃Others あるいは雑事・雑学

●Skypeで日本語のリアルタイム音声翻訳が可能に ~Microsoft Translatorは深層学習ベースの翻訳エンジンへ http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1053584.html

●最大100人まで同時通訳ーーMS、日本語の音声リアルタイム翻訳を提供開始 http://japanese.engadget.com/2017/04/06/100-microsoft/

●軽量版「Twitter Lite」公開 読み込み速度30%アップ http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/06/news118.html
データ通信量を最小限にし、読み込み速度を最大30%アップさせた「Twitter Lite」
が公開された。スマートフォンやタブレットのWebブラウザで
「https://mobile.twitter.com/home」にアクセスすれば使える。

●Twitterの“たまごプロフィール”(画像が初期設定)が人のシルエットに http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/01/news019.html

●Twitter140文字制限緩和は巻き返しの狼煙となるのか? http://blogos.com/article/191515/