●インターネットはどこへ行く

C:技術で/技術が/技術を(ICT:社会・法・制度論と技術文化論)

●インターネットの次に来る「不可避」な12の変化とは何か? ~『インターネットの次に来るもの』(ケビン・ケリー著)を読む http://diamond.jp/articles/-/104693
「自動車の発明により馬車が廃れ、御者や馬具作りの仕事はなくなった。この流れは不可避だった。
馬具メーカーだったエルメスは、この不可避な流れを捉えた。そして人が自動車を使うようになるプロセスの先に、長距離旅行が流行ることを予測。その予測をもとに、旅行用の鞄や財布などの皮革製品に事業の軸足を移して大成功した
この事業転換による成功は不可避なものではなかった。エルメスの優れた視点があってこそのものだった。」

「これまでも、われわれが発明したものがわれわれに新たな仕事をもたらしてきている。
よく考えれば、現在われわれがやっている仕事のほとんどは100年前にはなかった仕事だ。工場の生産管理、さまざまな商品の設計や品質管理、システム開発やプログラミング、Webデザインやオンラインゲーム制作などは、オートメーションやコンピュータの発明なしではできなかった仕事だ」。

○インターネットは次の四半世紀へ(前編)--GoogleやAppleが変えた「本当のもの」 http://japan.zdnet.com/article/35087824/
「インターネット登場以降の人間と情報との関係の変質は人々の日常生活における利便性や簡便性の向上といったレベルだけでなく、その思考方法や行動様式、感性、感覚、価値観、幸福感の変容にまで及んでおり、その結果として、人間の創造活動や経済活動に決定的な大変革をもたらした」。

Googleは検索によって情報へのアクセスを迅速化したわけではなく、情報産業の概念、形態、規模を変えた。

Amazonは手軽に買い物を楽しめるようにしたわけではなく、商品購入に際しての決断要因を変えた。

AppleはPCに匹敵する便利な電話を開発したわけでなく、人間の思考と行動のパターン、そして身振りや手振りまでをも変えたのだ」。

○インターネットは次の四半世紀へ(後編)--新たに必要な「三つのエコロジー」 http://japan.zdnet.com/article/35089670/?tag=mcol;backNumber
インターネットが第二の自然に。
「来るべき次の25年にはインターネットは私たちの意識の後景にどんどん退いていくだろう。森や海に抱かれつつ自らの生命が維持されていることにとりたてて驚きを感じないように、私たちは自らが利用している道具、享受している娯楽がインターネットを介して実現されていることをほとんど知覚しなくなる」。

ただし、そうであるがゆえに、ネットそのものを使って、ネットを中央主権の道具に使う趨勢も見えにくくなっている。
「ウェブは最初から分散化されている。問題は特定の検索エンジン、特定のSNSにウェブが支配されていることだ。われわれは技術的な問題ではなく、社会的な問題を抱えている」。「Re-decentralizing the web」(ウェブの再―分散化が喫緊の課題だ。
http://www.nytimes.com/2016/06/08/technology/the-webs-creator-looks-to-reinvent-it.html

●Webはオープンな分散型OS、アプリケーション・メディア・プラットフォームとしてのWeb技術─中村修教授、及川卓也氏が語ったHTML5の未来 https://html5experts.jp/miyuki-baba/21224/
Webは世界で動く唯一の分散型OS(Distributed Operating System)であり、インターネットで繋がった世界や、IoTで繋がるすべてのデバイスなどの計算資源をHTTP/HTTPS、HTML、URL、APIによってユーザーに提供している。W3Cでは日本のHybridcastや欧州のHbbTV 2.0がHTML5に準拠し、自動車の地図の車載情報やセンサー情報が、Webプラットフォームとして扱うためのAPIが研究されている。近い将来、車載のディスプレイやインパネはHTML5になるはず」。

●クラウド2.0のもたらす破壊力と大企業内でのイノベーション http://www.slideshare.net/minoruetoh/20-59706687
「大IT企業でしか持ち得なかったセキュリティやデータマイニングのシステムを、瞬時に非IT分野の企業が展開できる」。ベストプラクティスをコピーすることで、小規模な非IT企業が感じる、リソースやノウハウの壁を越えやすくなる。
デジタル化の時代には、大企業とスタートアップの連携が重要になる。それを可能にするのが「パブリッククラウド」


欧米ではGEのような伝統的企業ですら、自社の今後の競争力はデジタル化と密接に結び付くと認識し、社内ソフトウェア開発体制の根本的な変革を進めている。しかし、多くの日本企業にはそうした自覚がなく、オープンソースソフトウェアの利用や、DevOpsなど社内の組織改革を伴う取り組みに考えが及ばない
IoT、人工知能、機械学習、ビッグデータといったトピックについても、狭義で位置付けることしかできていない。実はこれらは氷山の一角で、その下にあるシステムエンジニアリング的思考、人材育成、組織改革、企業文化といったテーマこそが重要。

●ディズニーのオープンソースプロジェクトをまとめた「Disney Open Source」 http://gigazine.net/news/20161018-disney-open-source/
ミッキーマウスをはじめとする「コンテンツ」を生み出すための「ツール」の中にはオープンソースプロジェクトとして無料公開しているものが多数ある。

●EUの新著作権法がもたらす「閉じたインターネット」 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/09/eu-40_1.php
いわゆる「リンク税」導入なるか?
2014年、ドイツとスペインで、Googleニュースなどのニュースキュレーションサービスがニュースにリンクを貼り短い抜粋を表示することに対して、出版社側が使用料を請求できるというあたらしい著作権を導入した。
が、このとき課税義務を課されたGoogleは、ドイツとスペインでGoogleニュースをそれぞれ運営停止したところ、出版社はGoogleニュースからの検索流入がなくなりトラフィックが10~15%ほども激減し、この「副次的著作権」の導入を取りやめた、という経緯がある。
これがEU全体で発生する可能性。

●なぜ、いま「著作権」について考えなければならないのか?―ヨーロッパの現場から http://bit.ly/2cS5xGf
「2015年に発足した新制欧州委員会(EUの政治機関のトップのひとつ)では、「ヒト・モノ・カネの移動の自由化の次は『情報の移動の自由化』である」と銘打ち、「デジタル単一市場の完成」を2020年までのEUの10個の最重要政策のひとつとして位置付けている」。

 

┃Others あるいは雑事・雑学

●シャネルのファッションショー会場がデータセンターに なぜ? http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1610/11/news101.html

●【超入門編】オープンソースソフトウェアライセンスを知ろう  http://copyright-topics.jp/topics/oss_license/