●Times Higher EducatioのWorld Reputation Rankingsと、QS の”World University Rankings 2016 ”

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●世界大学ランキングは何を評価し大学に何をもたらすか  http://shinken-ad.co.jp/between/backnumber/pdf/2016_2_tokushu08.pdf
大学経営者や高等教育機関所管機関にとって重要なのが、Times Higher EducationのWorld Reputation Rankings(世界の大学評判ランキング)。
18歳人口の減少期を目前に控えた日本とは対照的に、世界の高等教育機関への進学者数は、2030年に現在のおよそ4倍の4億人を超えると見られている。学生の国際流動は拡大が確実で、この需要に対応するために各国の政府、大学がこの指標の向上で海外からの学生誘致に余念がない。

★World Reputation Rankings 2016 methodology | THE Rankings https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/world-reputation-rankings-2016-methodology
1 Harvard University United States of America
2 Massachusetts Institute of Technology United States of America
3 Stanford University United States of Americ
4 University of Cambridge United Kingdom
5 University of Oxford
6 University of California, Berkeley United States of America
7 Princeton University United States of America
8 Yale University United States of America
9 Columbia University United States of America
10 California Institute of Technology United States of America
(ランキングページ: https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2016/reputation-ranking#!/page/0/length/25/sort_by/rank_label/sort_order/asc/cols/rank_only

●日本の大学ランキングが急落した理由とは? http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/c4db8101c950cb47ff5b9128114d3cec
THEの世界大学ランキングにおける日本の大学のランキングの推移。データ分析企業が変遷し、次第に日本の大学は凋落。
当初QS社が分析を担当。その後、2010年からトムソン・ロイター社へ交代、その時点でいったん日本の大学のランキングは急落。そして、2015年にトムソン・ロイター社からエルゼビア社にデータ分析担当会社が代わり、再度、日本の大学の順位がさらに下落。200位以内に2大学しか残らなかった。

日本の大学が顕著に低下している評価項目としては「教育」「研究」「被引用数」がありますが、その中でも「被引用数」の低下が大きい。

● QS ”World University Rankings 2016 ”について http://www.jsps.org/information/2016/05/qs-world-univer-9ec9.html
Quacquarelli Symonds (QS)社が、2016年の学科別世界大学ランキングを発表。研究者向けランキングとして定評。評価基準は次の4点。
1.研究者による評判(76,798人)
2.大学職員による評判(44,426人)
3.論文ごとの研究指標
4.ハイインパクト論文(H-インデックス)

(サイト: QS World University Rankings by Subject 2016 – Out Now! | Top Universities http://www.topuniversities.com/university-rankings-articles/world-university-rankings/qs-world-university-rankings-subject-2016-out-now

★Japan Inc, your country’s academy needs you https://www.timeshighereducation.com/comment/japan-inc-your-countrys-academy-needs-you-kevin-rafferty
日本政府による文系廃止の誤報について。
「日本政府は実用的な知識やスキルを身につけられるカリキュラムを重点的に考えているようだが、実社会はソーセージ製造機のようにお金を入れれば簡単に計りにかけられて、売れる製品が作られるわけではなく、もっと複雑に入り組んでいる。実用的なスキルだけを身につければ、社会で希望通りの成果が出せるわけではないのだから、人文系の考え方を身につけることも大切」。
日本の大学が現状の問題点を克服し、世界レベルにまであがっていくためにポイントとなるのは企業による資金援助。

●学生はティーチングアシスタントが実際には人間ではなくロボットだったことに気づかなかった http://gigazine.net/news/20160509-ta-jill-watson/
アメリカの研究者が人工知能を使ったティーチングアシスタント(TA)を導入して、オンラインでの学生に対応させたところ、誰一人としてTAがコンピューターだと気づかなかった事例が登場。
Jillとのメールでのやりとりに、不自然な点はなかった」、と学生。
「学生の質問に答えたり相談にのったりするコンピューターTAには「Jill Watson」という女性の名前が与えられました。実際に学生への対応を始めるまでに、ゴール教授らは、Jillに約4万件分の学生からのメールやチャットを読み込ませて、質問や相談に対する応答方法を学習させました」。
「そして、Jill自身が「97%以上の精度で正しく答えられる」と判断した質問にのみ応答することにして、実際にオンライン学習をする300人強の学生のための9人いるTAの一人として、2016年1月からJillを運用し始めました」。

●スクーと東京大学大学院山崎研究室が共同研究を開始。2,500本以上の授業をもとにプレゼンテーションを解析 http://edtech-media.com/2016/05/10/schoo-18/
日本人のプレゼンテーション技能向上に向けた共同研究をスタート。
「山崎研究室ではすでにTED Talksのデータ(英語版)を1,600本以上解析し、「内容」「文法(使用する単語の選択、等)」「音声(話し方の抑揚やテンポ、等)」の3点における特徴量から閲覧者の理解度及び印象予測などを検証している」。

●理系クラスタ狂喜!微積・極限値とグラフを『手書きから自動計算』するAIアプリが常軌を逸してる https://bita.jp/dml/mathpix_dl
ディープラーニングを数学の文字認識に応用した例。mathpixは「数式をスマホで撮影すると答えを返してくれる」というアプリ。
それだけ聞くとシンプルに思える仕様なんですが、他にも多くの機能がある。
・撮影した数式のグラフ
・解き方
・関連する微分値や積分値、極限値など
これらが撮影しただけで同時に出力されちゃう。

●「Helix」は論文を書いているそばから関連文献を提示するプラグイン http://jp.techcrunch.com/2016/05/10/20160508helix-conducts-research-as-you-write/
学術論文は「クローズ」な世界に閉じ込められている。そのため研究者は検索に時間を浪費している。
「Helixは機械学習を使い、文章を書いた端から適切な引用文献や関連研究を教えてくれる。Helixは書き手が書いた文章をリアルタイムで読み込み、関連する文献やニュース、ウィキペディアのページなどを探し出し、お勧め情報を自動的に提示する」。

●慶應義塾大学(メディアセンター)、奈良先端科学技術大学院大学が、 京セラ丸善「BookLooper 電子図書館」を採用 http://www.kmsi.co.jp/press/2016-05-12/
BookLooper 電子図書館のユーザ数は、2014年5月のサービス開始以来、累計10万人を超え、またコンテンツ数も2万タイトルまで拡充。

●成長を継続的に支えて受け入れる 10年後を見据えた募集戦略 http://shinken-ad.co.jp/between/backnumber/pdf/2016_4_tokushu08.pdf
少子化で潜在顧客(受験生)が減る段階では、大学自身のマーケティングが大事。小規模大学がめざすべきなのは、いわば、プロ野球のスカウト
「経済的余裕のない球団、不人気な球団は、地方大会に足を運び、注目選手の影に隠れた実力者や、上位に進めなかったチームの中でキラリと光る能力を見せる選手を見つけ出し、継続的にウヲッチして入団させる」。
「生身の人間を継続的にウォッチしたデータによって、自学と生徒をマッチングするシステムであるCRM」が重要。

●イノベーション型の企業は 「頭数」より資質重視の採用を展開 http://shinken-ad.co.jp/between/backnumber/pdf/2016_4_tokushu04.pdf
日本の学生に才能がないわけではない。勉強させていない日本の大学の責任であり、学生がかわいそうだ。
「大学全体で取り組むのは無理だとしても、一部の学部や定員でもいいから、DP(ディプロマ・ポリシー)のレベルを一気に引き上げて、自ら解を出す課題を与えるなど、高難度の厳しい教育を行ってはどうか」。

●理念と独自性のある育成システムで国際的潮流に立ち向かう http://shinken-ad.co.jp/between/backnumber/pdf/2016_2_tokushu02.pdf
他国と比べて日本の学生は勉強していない。解決策の一つはシラバスだ。
「主体的に学習するには、授業で何に取り組むのかを知っていなければならない。自宅で授業の準備をするにあたって、各授業の内容が明記されたシラバスは必須だ。そのほか、評価基準を学生に示す役割のあるルーブリック、学習履歴を学生と大学の双方が把握するためのポートフォリオなども効果的だろう」。