●「科学とは模型の作成である」から国際バカロレアまで

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●京大・早大を経てマレーシアにきた社会心理学者に、日本との教育の違いを聞いてみた http://www.malaysia-magazine.com/immigrate/child_education/%e6%95%99%e8%82%b2/1387/
日本、米国、オーストラリア(マレーシア)と3つの国で教育経験を持ち、現在マレーシアに住む小学生の親でもある社会心理学者。京大、早大の教職を捨てマレーシアに来たのは、3.11がきっかけ。
「まあ、いいから仲良くしなさい」というのが日本の教育。日本は「コミュニティ志向」、しかしそれ以外の生き方を知らないから、いやでもコミュニティに頼らざるを得ないだけで、ほんとはコミュニティが嫌い。結果、安心感はあるが、信頼感はない日本の社会が形成された。
「私は教育は学校よりも、親が「問題を解決している姿を見せる」ことが大事だと考えています。例えば、海外に移住した親が、住むところをどう探すか。子供は、親が生きるための意思決定をしている姿を見ています」。
いま、カイシャが変わり始めている。つれてコミュニティが変わる、すると日本人も変わっていき、教育も変わっていくだろう、と。

●学習者情報端末は教具なのか文具なのか http://www.nichibun-g.co.jp/column/plus/plus024/
ICTを上手に活用する海外の学校事例:「学習者端末を用いたレポート課題に比較的長い時間が割り振られる事が多い。それぞれがネットや書籍資料を参考にした課題や討議に取り組む。教員はファシリテート、個別アドバイスやフォロアップを行う役割として活動を支援する。いわゆる学習者主体の学習(Learner-Centered Learning)」。


日本では、ICTが教員主導の「教具」となるべき、という発想(教師中心・一斉授業前提・ICT教具論)で、本来自在に使えるはずの学習者端末をわざわざ不便で虚ろな道具に仕立ててしまっている。

●“使われない電子黒板”をなくすには「常設化」しかない――青山学院初等部 井村教諭 http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1603/24/news05.html
青山学院初等部では、IT活用の推進組織「ICT教育戦略委員会」を設け、同委員会が中心になって電子黒板をはじめとするIT製品の整備や運用を進めている。
「ICT教育戦略委員会の特徴は、青山学院初等部の教員だけでなく企業や大学からもメンバーを集め、産学共同で構成されていることだ。企業や大学と連携することで、情報収集や授業研究の充実を図るのが目的だ。企業と共同でIT活用の実証に取り組み、教員のIT活用スキル向上の機会にする狙いもある。参加する企業にとっても製品の改善点や不具合を知ることができる利点がある」。

●Windows 10タブレット2万台で4月から授業開始--大阪市の全小中学校 - http://japan.zdnet.com/article/35080250/
大阪市は3月25日、市内の全小中学校422校に合計2万1113台のWindows 10搭載タブレットを配布し、4月からタブレットを活用した授業を一斉スタートする。

●人工知能型タブレット教材「Qubena(キュビナ)」、中学校の春期講習に人工知能型教材を導入 http://edtech-media.com/2016/04/04/qubena/
Qubenaは、各生徒がタブレットに入力するあらゆる情報(解答、解答プロセス、スピード、理解度など)を収集、蓄積、解析し、指導内容を個人に最適化させる人工知能型教材
(サイト:Qubena | COMPASS http://compass-e.com/#/feature

●「科学はクリエイティヴだ」と伝えるために、教育にできること http://wired.jp/2016/04/02/science-education-has-to-change/
科学が人生にもたらす意味と、そのプロセスの創造性について。
「「科学とは模型の作成である」といえる。物質的な模型でも、数学的模型でも、さらに言えば概念的模型でも構わない。その模型が現実と一致するなら素晴らしいし、実験が模型と一致しないならそのモデルを変更していかなければならない。それだけのことだ」。
「科学には過程がつきものだ。しかし、それは科学の主たる目的ではなく、科学者たちはほかの誰かが得た結果を再現するために、過程に沿うのである。そして過程とは、野生への地図のようなものだ。未知の世界を探求したければ、まず最初に野を行く道に従って歩きはじめて、それから地図にない場所へとたどり着くのだから」。

●細胞の自律性の不思議に魅せられて http://www.sankei.com/west/news/160320/wst1603200004-n1.html
「一般の細胞は互いにくっついて組織、臓器を作る。組織の細胞は、生きたままバラバラにすることができ、透明なガラスやプラスチックの容器の中に入れて培養すると、動いたり止まったり、集まったり分散したり、社会性とも例えられる複雑な行動を見せる。そして、バラバラにした細胞を立体培養すると、塊となって、元の組織と同じような構造を作ってしまう」。
「いかなる外的情報も必要ない。いったん何らかの組織細胞に「分化」した細胞はその状態を記憶しており、バラバラにされても元の構造に戻る」。

●ITとものづくり教室「Qremo(クレモ)」でお子さんに二十一世紀の教育を http://qremo.jp/lp/pc14001/index_f.html
Qremo(クレモ)は子どもたちが最先端のものづくりを体感できる場所
「考える、つくる、伝える」をテーマに、プログラミングやロボット、3Dプリンターを活用したデジタルファブリケーション、デザインなど、最先端のものづくりを横断的に学ぶことができる。

●学校教育でのプログラミング学習普及にむけて ~ 日本初の「Minecraft を活用したプログラミング授業」実証事業のご報告 ~ http://blogs.technet.com/b/microsoft_japan_corporate_blog/archive/2016/04/01/minecraft.aspx
プログラミング学習に Minecraftを活用するメリットは、ゲーム性と協働性によって子どもの興味関心を引き出し、論理的な思考に挑戦する環境を作ることができる点。


●デジタル教材等の規格標準化の意義と動向 http://www.slideshare.net/eijyo/ss-59974613
「この本はどこにあるか」から、「このことはどの本にかいてあるか」へ進化していくべきであるように、意味や内容に旗を立てる、一意のURLがつけられることが教育のICT化、知の流通に共通の重要事項。単元IDの標準化。

●「DAISY/EPUBで実現するアクセシブルなデジタル教科書」(第2回)DAISY/EPUB策定を巡る内外の最新動向 http://degisaitama.web.fc2.com/20151212/index.html
EPUBのアクセシビリティは、実は現在デイジーで使っているアクセシビリティの技術を継承している。つまり、EPUBの開発、特にアクセシビリティの部分の開発は、デイジーコンソーシアムの開発者がその役を担っている。すなわちデイジーのアクセシビリティを開発してきた技術者が、そのままEPUBのアクセシビリティを開発している。

●デイジーを知ろう!2 デイジーのこれまでとこれから http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/daisy/daisy2_norma1602.html
デイジーはもともとスウェーデン国立録音点字図書館を中心に開発された「デジタル音声情報システム(Digital Audio-based Information SYstem)」の略称。その歴史、試行錯誤しながら歩んできた道について。

●視覚障害者等用データの収集範囲の拡大について http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2015/1215152_1830.html
国立国会図書館が製作した学術文献録音図書DAISYデータ等と、図書館等が製作し国立国会図書館が収集した視覚障害者等用データ(音声DAISYデータ点字データ等)を、視覚障害者等個人の方や図書館等にインターネット経由で送信する。

●発達障害って、なんだろう?|理解する:政府広報オンライン http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html
学習障害(LD:Learning DisordersまたはLearning Disabilities)とは、全般的な知的発達に遅れはないのに、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり、行ったりすることに著しい困難を示すさまざまな状態をいいます」。

●合理的配慮の意味・事例について|発達障害や学習障害の子どもを支援 http://leaf-school.jp/hattatsu/consideration.html#handbook
読み書きに困難がある子に対して、拡大教科書やタブレット、音声読み上げソフトを利用して勉強できるようにすること。
周りの刺激に敏感で集中し続けることができない子に、仕切りのある机を用意したり、別室でテストを受けられるようにすること。
指示の理解に困難がある子に対しては、指示を一つずつ出すようにしたり、見通しが立つようにその日の予定をカードや表にして確認できるようにすること。
肢体や視覚が不自由な子には、介助者や盲導犬の補助を受けながら学校生活を送れるようにすること。

●障害者差別解消法施行を前に出版社が考えること 【セミナー備忘録】 http://society-zero.com/chienotane/archives/3957
「読む」が、視覚になんらかの障害がある人へ拓かれていくには、電子書籍がTTS対応のEPUBで作られているだけでは足りない。
買えなくてはいけない、音声で。
買った本の中から今読みたい本を選べなくてはいけない、これも音声で。
そして、本へのアクセス可能性が、教育・学習、さらには就労上きわめて重要な事柄であることを指し示すのが「印刷物障害」。読めないからと言って「能力」がないわけではない人が、学校、会社、社会にたくさんいる。

●学部と大学院がなくなる! 東工大が数十年に一度の大学改革を決行! http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamadakumi/20160323-00055752/
「現在、日本のすべての大学は、学部と大学院で構成されており、学部の中には学科、大学院の中には研究科が設置されている。しかし、東工大はこの4月から、日本の大学としては初めて、学部と大学院を統一した「学院」を新設する」。
「学院の中で、特に活発に研究活動を推進している教員をリーダーに任命し、研究ユニットを形成する。研究ユニットには、学内に加え、他大学の教員なども参画できるようにし、教員のモビリティを高める。研究ユニットは、単に共通する研究分野に携わっている教員同士が集まるといった弱いものではなく、強いリーダーシップを持つ1人の教員がリーダーとなり、強力に進めていく組織だ」。

●スタンフォードを超える「シリコンバレーの大学」? 一流テック企業の授業が受講できるオンライン学習サービス「UDACITY」とは http://www.huffingtonpost.jp/hrnavi/-udacity_b_6239716.html
UDACITYは、テクノロジー業界が作る「新しい形の大学」。
「Web開発、フルスタックエンジニア、モバイル開発、データ・サイエンスに至るまで、今まさに業界で注目されるテーマについて、ここでしか学ぶことができない授業を提供しています。これらの講座は、Google、Facebook、MongoDB、Cloudera、Salesforceといった業界のトップ企業と協業して設計しており、講師は業界の第一人者ばかりです。私たちは、シリコンバレーの大学になりつつある」。

●村岡恵理さんが語る「村岡花子と広岡浅子」 - もっと知りたい広岡浅子 | 大同生命の源流 http://kajimaya-asako.daido-life.co.jp/column/26.html
「小我にこだわらず、もっと大きな世界の中で自分が成すべきことは何か。真我というものを見つけてほしい」。
広岡浅子は、1901年(明治34年)の日本女子大学校(現・ 日本女子大学)設立に奔走。日本女子大学校の発起人の一人であり、創立当初の評議員となる。

●「国際バカロレア」が作る世界で生きる力 ――日本の「知識注入型」教育を変え、2018年までに認定200校を目指す http://www.mugendai-web.jp/archives/5009
文部科学省は2020年の大学入試センター試験の改革を機に、2018年までに国際バカロレア認定の高校を現在の35校から200校まで増やす、としている。
国際バカロレアは大学受験の際に基準となる「世界共通の成績証明書」の必要性から生まれた仕組み。討論や探求型学習を採用したアクティブ・ラーニング、がその本質。
だから日本の「知識注入型」教育を変える必要がある。ICT活用にしても、ICT教具論(教員主導型)から、ICT文具論(学習者中心型)へのシフトがポイント。
(サイト:世界で生きる教育推進支援財団 http://www.sekaideikiru.com/

●国際バカロレア認定のための手引き http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/10/13/1353392_01.pdf
ディプロマ取得のためには、「課題論文」(EE:ExtendedEssay)、「知識の理論」(TOK:Theory of Knowledge)及び「創造性・活動・奉仕」(CAS:Creativity, Action, Service)を受けた後、統一試験に合格する必要がある。

●人材育成に向けた教育の在り方― 国際バカロレア教育の現状と普及への課題 ― http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2013pdf/20130201067.pdf
最大の課題は英語:日本語以外の言語が日常生活で用いられていない我が国で特に習得が難しいとされているのが、国際コミュニケーション能力、すなわち「国際共通語」である英語の運用能力。
英語でDP(Diploma Program) の授業をこなす必要がある。DPを構成する6グループ:第1グループ:第一言語と文学/第2グループ:第二言語/第3グループ:個人と社会/第4グループ:実験科学/第5グループ:数学と情報科学/第6グループ:芸術 。

●ショーンK氏を嗤えない学術界~はびこる「学歴詐称」と「実力詐称」 http://bylines.news.yahoo.co.jp/enokieisuke/20160322-00055698/
菊池寛の小説「形」は、人が肩書や見栄えに左右されることを痛烈に風刺している。
人の実力など簡単には分からないし、その優劣など簡単につけられない。だから人は肩書や経歴や見た目の良さを必死で求める、のだろう。
たとえば「論文の内容より、「ネイチャー誌」に掲載されたのだから、すごい論文に違いない、と思われる。こうした研究社会の評価基準を狙って不正が起こる」。学歴ロンダリング、という現象もよくある。ノーベル賞受賞者やそれに準ずる大物に論文の著者として入ってもらう「ギフトオーサーシップ」という手法は、出版物でもよく使われる。
「日本では、研究費が一部の機関や一部の研究者に集中しすぎていると言われ」る。日本では諸外国より肩書が過度に評価されるからだ。日本人研究者は、外国の研究者が何大学卒などということは気にしていないのに、自分の国ではかなり気にするという二重基準を持っているように思う。逆に言えば、洋物をめですぎるというこれもまた肩書重視の姿勢か」。

●京都大学の教授が給与明細を公開。衝撃の年収が明らかに! http://netgeek.biz/archives/69157
実力の対価として相当であれば、問題はないし、そうでなければ抗議すればよい。だが「京大・教授」という肩書にしては少な過ぎるじゃないか、という抗議だとしたら、恥ずかしい行為ということになる。