●ICT教具論(教員主導型)から、ICT文具論(学習者中心型)へ進むべき

D:学習・教育のデジタル化と変容する知の体系

●何が人生を幸福・健康・成功に導くのかを70年間追跡調査した「The Life Project」でわかったことまとめ http://gigazine.net/news/20160302-life-project-happy-healthy-successful/
教育に関して、政府ができること、親ができること。
・「1990年代イギリスで11歳の子どもが持っているはずの能力よりも読み書きの能力が低い、とされた大人は5人に1人の割合でした。計算に関しては3人に1人が11歳の子どもの能力よりも低く、7~9歳の子どもよりも能力が低かった割合は4人に1人だった」。
→イギリス政府は2000年代初頭に成人を対象とした教育システムを開始。
・「不利な環境で生まれた子どもであっても、子どもが5歳の時に親が本を読んでやり、10歳の時に教育について考えている家庭では、子どもが30歳になった時に貧困である可能性が著しく低かった」。

●デジタル教科書導入 有識者が4年後めどにで意見一致 https://www.kyobun.co.jp/news/20160304_01/
「2月19日に非公開の有識者会議を開き、「デジタル教科書」の導入時機に関して議論を重ねたという。4年後の導入ついては出席した委員から反対の意見はなかった」。

●教育情報化「教具論」からの脱却 ~学習者中心の情報化とは何か~ http://www.slideshare.net/ShimpeiToyofuku/ss-59449767
ICT教具論(教員主導型)から、ICT文具論(学習者中心型)へのシフトがポイント。
ICT教具論(教員主導型)知識理解が重要と考える。その知識を先生は独占していて上から下へ注入するのが教室での授業だ、と措定する。そこでは学習者側の主体性・構成能力が奪われがちに。また「ICTに対する短時間魔法的効果を期待」しがちに。
ICT文具論(学習者中心型):知的生産を重要な目標と考える。それも生活と学習文脈との結合が狙い。ただしそのためには知識・学習材の遍在が前提となり、これまでは実現が難しかった。しかしICTで条件が整備されてきた。学習者の主体性・自己調整能力の重視 と 持続的ICTスキル養成と学習活動の高度化が特長。




教えることについての私論 http://takashioshie.blogspot.jp/2016/03/blog-post_5.html
「「唯一無二の正しい真理」なんて存在しません。とうの昔に神は死んだし、唯一の現実は存在しない」。
この後段の認識が重要。アフォーダンス環世界の理論はそのことをすでに20世紀に指摘していたのだが、専門領域を超えて知られ始めたのは21世紀、ようやく最近のこと。それを踏まえた教育論がこうなるのは、自然な成り行き。「教えるということは,知識量の多い人が,知識量の少ない人にその差分を与えていくことではありません」。
だから、「教えることは,その人に見えている世界を理解しようとすること」に他ならない。つまり「大学教員が「君が何を言っているのかわからない」とか「君の考え方は間違っている」と言った時点で負けなのです」。

●世界中の悩める人に、あえて正面から「愛」や「幸福」を語ろう──「『嫌われる勇気』から『幸せになる勇気』へ」 岸見一郎×古賀史健 http://courrier.jp/news/archives/43952/
教育現場でもかみしめてみたいエッセンス。
・「あらゆる他者と『縦の関係』ではない、『横の関係』を築かねばならない」
・「自己と他者の『課題を分離』すれば、たちどころに悩みは解決できる」
・「怒りという感情は存在しない。怒りの表明で他者を屈服させたいという『目的』があるだけだ」

●デジタルを突き詰めるとアナログが見えてくる…ICT教育 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/special/CO015131/20160301-OYT8T50074.html
「動画撮影や写真の閲覧等、操作方法をあまり意識せずに活用できる場合には積極的にデジタル機器を使うべき」。ヒューマン・インターフェイス理論(人と機械とが接する面についての理論)で言われる「第1接面と第2接面」から導かれる結論。
道具(たとえば杖)を使うとき、第1接面は人と道具が接するところ(手と杖が接するところ)であり、第2接面は道具と外界の事物が接するところ(杖の先と地面が接するところ)。

・キーボード入力に習熟し、机の上に余計なものを出さずに授業に臨む子どもたち。

●インテル、東京の公立小に学習アプリを無償配布…56万人以上対象 http://s.resemom.jp/article/2016/03/07/30169.html
インテルが東京都の公立小学校(小学校1,292校、児童56万2,969人(平成27年4月現在))向けに「東京ベーシック・ドリル」対応学習アプリの無償配布。
「東京ベーシック・ドリル」は、小学校1年生から4年生までの国語・社会・算数・理科の基礎的な内容や学習知識を身につけられるよう、東京都教育委員会が制作したドリル教材。
それをインテルが学習アプリ化した。
(サイト:東京ベーシック・ドリル:東京都教育委員会 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/shidou/manabiouen/basic_drill.html

●2015年度版デジタル教材 期間限定無料公開中!|光文書院 http://www.kobun.co.jp/dk/tabid/166/Default.aspx
2016年3月31日まで期間限定で光文書院のデジタル教材,『デジ漢』『デジ計』『デジ書写』『デジロー』『デジひら・デジカタ』『ナップザックの作り方』『エプロンの作り方』を無料で公開

●文京区立湯島小学校 研究活動 http://www.bunkyo-tky.ed.jp/yusima-ps/kenkyu/kenkyu26/yushima-model.html
授業を3つの学習課程(導入・展開・終末)と3つの学習形態(一斉学習・個別学習・協働学習)とで9つのセルに分割したマトリックス。
それぞれの学習場面でICT機器をどのように活用すれば効果的であるか、実践と検証を繰り返して、授業デザイン「湯島モデル」を完成させた。
(サイトトップ:湯島小学校ホームページ http://www.bunkyo-tky.ed.jp/yusima-ps/

ぷるす工房 - 子ども情報ステーションby ぷるすあるは http://kidsinfost.net/atelier/
精神障がいやこころの不調、発達障害をかかえた親とその子どもの情報&データ格納サイト。
日々の工夫や相談につかえる素材/親がこころの不調を抱えたときの『子どもと親のケアガイド』/こまったときカード・きんきゅうのときカード/ハッピーカード/イイトコ探しリスト/調子を伝えるカード(からだ/きもちとあたま1,2)/メッセージカード(病気の本人⇄まわりの人)/病気を伝えるシート 他。

●情報処理学会の学術論文や学会誌の記事、「ニコニコ静画」で販売開始 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20160304_746783.html
「ドワンゴと情報処理学会は2015年1月に提携を発表。「ニコニコ生放送」による学術講演などの生中継・アーカイブに取り組んできたが、新たに今回、学術論文と学会誌の一部記事をニコニコ静画で毎月配信していくことになった」。

●15年分のデータを徹底調査してわかった、米国トップ大学の「課題図書」ランキング http://courrier.jp/news/archives/43484/
米国トップ大学10校の課題図書ランキング
1位『国家』プラトン著
2位『文明の衝突』サミュエル・P・ハンチントン著
3位『英語文章ルールブック』ウィリアム・ストランク・Jr.ほか著
4位『リヴァイアサン』トマス・ホッブズ著
5位『君主論』ニッコロ・マキアヴェリ著
6位『アメリカの民主政治』DE・アレクシス・トクヴィル著
7位『正義論』ジョン・ロールズ著
8位『バーミンガム刑務所からの手紙』マーティン・ルーサー・キング・Jr.著(未邦訳)
9位『自由論』ジョン・スチュアート・ミル著
10位『つきあい方の科学』ロバート・アクセルロッド著

●日米大学生の、学習・読書の量と質の差 http://society-zero.com/chienotane/archives/3823
「私と同世代の経済学部生なら、アダム・スミス、マルクス、ケインズなど経済学の古典を、最初から最後まで読み通せなくても、何とか読解しようと悪戦苦闘した経験の持ち主が多いはずだ」。
「人社系学部の強みは、読書量の一語に尽きる。今の学生は古典を読まなくなった。ガルブレイス、フリードマン、スティグリッツの著作、ピケティの『21世紀の資本』なども新しい古典だ。古典をきちんと読めば、思考力・判断力・表現力で理系出身者を凌ぐことができる」。

●京都大学OCW  英語による科学論文の書き方 “Scientific Writing in English” マルコム・フィッツアール(Malcolm Fitz-Earle) 教授 Part01 https://www.youtube.com/watch?v=GYkzUOzOWmY&feature=youtu.be
OCWは「オープン」。MOOC(Edx等)は修了証明との関連で、半分オープンなのが違い、か。
『マルコム先生の書いて身につく科学英語ライティング』(マルコム・フィッツアール 著/西澤伊津子 訳)の著者マルコム・フィッツアール教授自身による解説ビデオが、京都大学オープンコースウエア(OCW)で公開。

●東大を抜いた「学費・家賃タダ」の大学の正体 http://toyokeizai.net/articles/-/94995
ノーベル賞を輩出する大学を目指すか、優れたサービスで選ばれる大学を目指すか、日本の大学は岐路に立たされている。
英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションによる大学ランキングでも、英国クアクアレリ・シモンズ(QS)のランキングでも、東大を上回るアジアの大学がある。それがシンガポール国立大学(National University of Singapore、通称NUS)。
奨学金:「海外の奨学金は無償の給付型で日本のような借金ではない。しかも「私が学んだNUSのリー・クアンユー公共政策大学院では「留学生の半分が奨学金を受けている」」。
視野が広がる:「1年間で受けた11クラスのうち、教授の出身国はシンガポール、日本、オーストラリア、インド、タイ、スリランカ、中国、オランダ、韓国。教授は専門分野に加え、出身国の状況も詳しい。授業を受けているだけで他国の様子」もわかる。

●留学先1番人気、米から中国に 高額な学費や円安影響 http://www.asahi.com/articles/ASHBV3S3HHBVUHBI016.html
日本人の海外留学者数は2004年(8万2945人)をピークに2011年(5万7501人)まで下がり続けている。
留学先の内訳では、2004年には米国が全体の半数を占めていたが、2011年には半減し、全体に占める割合も約35%に。その間2012年にはついにというか、米中が逆転した。
米国の側からみた留学生受け入れ国で、90年代半ばに1位だった日本は現在第7位。