●人工知能と「日本的雇用慣行」からの脱却

◎人工知能やロボット等による代替可能性が高い労働人口の割合が、日本において高いとするNRIの調査結果が話題になっている(衝撃! 日本の労働人口の49%が"人工知能"や"ロボット"などで代替可能に!? http://news.mynavi.jp/news/2015/12/02/280/
)。
しかし技術だけでシフトは生じない。実際に代替されるかは、資本がそこへ投下されるかにかかわる。資本投下の意思決定上はその仕事が産みだす製品・サービスの価格と、仕事にたずさわる労働者の賃金との関係が重要。
紡績機の導入に始まる産業革命がイギリスの片田舎から始まったのは、当時のイギリスの対象産業の賃金が世界の中で高かった事情が背景にある。それに加え、将来のイノベーションにつながる(当初は)小さな種(と見える)に対しリスクテイクする革新者の存在が欠かせない。

さらに重要なことがある。NRIのニュースはあまりにセンセーショナルでかえって一番大事なことが理解されないままで終わるのが懸念される。それは職種や産業自体が維持存続する場合ですら、実はその中身やスキル定義が変化してしまい、それに追随できない人々が生じはじめている、ということだ。日本社会は「移行期」にある。

 

┃Post Modern あるいは再編成されるLife(生命/生活/人生)
働くって? 育児、教育、ケア、地域、時間、eco、社会保障など

●100人の革新者にみる未来構築のパターンとキラー・スキル:2030年の日本 http://www.nri.com/~/media/PDF/jp/opinion/teiki/chitekishisan/cs201507/cs20150707.pdf
イノベーションは小さな種から生まれ、それを消滅させずに大きく育てることがなければ具体化、実現しない。それを実現した革新者が保有するキラースキルを分析した。
世の中の当たり前を疑ってみる目/ニーズを探すのではなくウォンツを想像する/出会ったことのない価値観・世界観を求める/IT、デザイン、エンターテインメントを用いて顧客の体験を変え、既存産業を変える。

●「日本的雇用慣行」からの脱却と新たな働き方の模索 http://www.mri.co.jp/opinion/column/trend/trend_20151204.html
移行期」にある、日本社会のイマに必要なこと。「急速に変化する必要スキルへの対応」、「他分野への技術/スキルの応用」、時間や場所、職務に対する「柔軟性」。

●(日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx
「芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業は、人工知能等での代替は難しい傾向がある」。
「一方、必ずしも特別の知識・スキルが求められない職業に加え、データの分析や秩序的・体系的操作が求められる職業については、人工知能等で代替できる可能性が高い傾向」がある。

★Will a robot take your job? - BBC News http://www.bbc.com/news/technology-34066941
検索窓に職業名を入れると、ロボット代替性の確度を答えてくれる。野村総合研究所の調査で、日本(49%)より、ロボットで代替される労働人口の割合が低かった英国(35%)でのサイト。

●労働人口の日本49%、米国47%、英国35%がAI・ロボットに取って代わられる? http://bit.ly/1Y09Vkd
「馬が物の移動を担ってきた仕事を自動車に取って代わられたとき、馬には別の仕事があると思っていた。しかし、この予測は外れ、馬の数は激減した。ロボットの登場で、これが人間に起ころうとしている。人間がこれに備えをしないと、馬の二の舞になる」。

●人工知能は人間の敵ではない、日本経済の強みになり得る - 東大松尾准教授 http://news.mynavi.jp/articles/2015/12/08/ai_matsuo/
ロボットや人工知能が話題になるのは、「ディープラーニングを用いることで、(略)人工知能はついにこれまで不可能とされてきた「認知」ができるようになっ」たことが大きい。「人工知能が認知を獲得して何が起きるのかというと、これまで必要とされてきた「人の手」が不要になり、人工知能が単体で機能できるようになる」からだ。
「とはいえ、人工知能ができる仕事は、人間が行ってきた「作業」を代行することのみだ。人間が進化の過程で獲得してきた感情や本能が関係する業務は、決して人工知能がとって代わることはできない」。

●601の職業を6つのグループに分類:10年後になくなる可能性が高い職業とは http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1507/23/news022.html
(感情を持つ)他者との関係性が要求され、責任の伴う職務が多い職業は、まだまだ人工知能やロボットに代替される可能性は非常に低い」。

 

 

●職務構造に関する研究 ―職業の数値解析と職業移動からの検討― http://www.jil.go.jp/institute/reports/2012/0146.html
NRIの調査でも使われた労働政策研究・研修機構(JILPT) の職務分析。職業は社会人にとっては身近な概念であり、自分とその周辺の職業世界は誰しも何らかのイメージを持っている。職業に関する体験談や個人的な感想は世の中に溢れている。ところが、自分の周囲にない職業に関しては誰しも正確な知識は少ない。
そこで共通理解を得るために、「職業興味、価値観、仕事環境、スキル、知識の数値について601職業を分析した」。

●非正規雇用比率「4割大台乗せ」の正しい見方 http://toyokeizai.net/articles/-/91718
スキル・能力の育成を誰が担うか。職場でそれを伝達される対象が正規社員なのが、いまの日本企業社会の現状。
だからこそ、「30~40代の非正規社員が増えていることを看過してはならない」のだ。「1993年~02年ごろの就職氷河期に学校を卒業した人々は条件の良い就職先がなく、非正規の職を転々としてきたケースが少なくな」く、スキル・能力の涵養という点で劣勢にある、あり続ける。
それは老後にも続く。つまり「高年齢者雇用安定法も、結局もともと正社員だった人だけが恩恵を受けられる仕組み」「順調に正社員を続けてきた人と、レールから外れてしまい従来から非正社員だった人との間で、「非正規」の枠の中でも、格差が生じる状態になってきているということが、(4割大台乗せの)本質的な問題」。

転職に成功する人、失敗する人――どこに“違い”があるのかhttp://www.itmedia.co.jp/business/articles/1510/23/news017.html
日本の教育界は長年「正解主義」を採用してきたので、大人になっても影響を受けている人が多い。そのため転職時に正解の転職先を探そうとする。仕事に正解ははない。そればかりか、「1年、2年働いたくらいで、(真の)経験を積むのは無理」なのだから、数年で転職を繰り返す人は「仕事人」として成長していかない。
そう、「(仕事を通じた)成長」が大事なんです。成長を通して自分の「テーマ」が見えてくることが重要なのです。

●新たな雇用創出策!離島でも首都圏の仕事を!鹿児島県奄美市、自治体初の“フリーランス寺子屋”を開始 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000010407.html
「島内で雇用を生み出せない奄美市が着目したのは、およそ1,300㎞離れた、首都東京の仕事。ランサーズ株式会社の提供するクラウドソーシングを利用することで、自然豊かな奄美に居ながら、首都圏同様の仕事を確保できる」。

●年収「300万円未満」や「1000万円以上」の世帯がどの地域に多いのか一目で分かる「世帯の年間収入マップhttp://gigazine.net/news/20151201-household-income-map/
市町村ごとの世帯別年収を地図上にマッピングしたウェブサイト「世帯の年間収入マップ」が公開されている。(サイト:http://shimz.me/datavis/mimanCity/ )。年収3百万円未満の世帯が40%以上を設定すると以下の地図のような状況。


●格差の背景に家族変容 - 戦後70年 - http://www.47news.jp/47topics/postwar70/turning-point/post_20151208135113.html
成長願望は時代遅れ。「(経済が安定的に推移する)定常状態でいいというのが私の持論だ。日本人が少子化を選択したことは成長を諦めたのと同じだと私は理解している」
今の日本の格差、貧困の特徴:「まず一つは、低成長時代に入り企業が労働費用の節約のため(賃金の低い)非正規雇用を増やした点だ」。
「第二は日本社会の家族形態の変容だ。結婚しない人がたくさんいるが、お金がないから結婚できない人が増えた。そして離婚が増え、母子家庭になるとどうしても貧困にならざるを得ない。家族の変容が日本の格差社会のバックボーンになっているのが大事な点だ」。

●本を読む人は何を手にするのか 日本に“階級社会”がやってくる http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1512/02/news015.html
「これからの日本は身分やお金による階級社会ではなくて、『本を読む習慣がある人』と『そうでない人』に二分される“階層社会”がやってくるだろう

●経済学者ピケティ「日本は若年層を優遇する税制に変えるべきhttp://netgeek.biz/archives/59844
「若者に多い非正規労働者の待遇改善をして、彼らの収入を増やせば格差は当然縮小する。そして、収入が増えれば経済的な理由で子どもを持つことを諦める人は減るため、人口増加にもつながる」。

 

 

┃Others あるいは雑事・雑学

●プレハブに植物を植えて数日で完成!実際に暮らせる「ホビットの家」が素敵 http://irorio.jp/umishimaakira/20151206/284683/

富士山グラス(田島硝子)-【江戸monoStyle】 http://www.edomono.jp/shopdetail/000000000153/

●6人のカメラマンによる実証実験 “写真はレンズが撮るのではなく、写真家の視点で切り取ったものであるhttp://markezine.jp/article/detail/23518

カメラ初心者に朗報!カメラのトリセツあらわる!? http://itorisetsu.jp/2015/12/10/rev151204-19/

●最高の睡眠サイクルをサポートする『Juvo』があなたをゾンビ状態から救う http://www.digimonostation.jp/0000047140/